宮崎の厳しい日差しが照りつける、夏真っ盛りの毎日。皆様、いかがお過ごしでしょうか。 こんな暑い日には、涼しいお部屋で、静かに心に沁みわたるような物語の世界に浸りたくなることはありませんか。
本日は、そんな時間にぴったりの一冊をご紹介させてください。 多くの読者の皆様から感動の声が寄せられた、あの京都を舞台にしたラブストーリー『鴨川は、まだ冬のまま』と、その待望の続編『鴨川は、君と渡る』。この二つの物語を合わせた、完全版の書籍がついに発売となりました。
■これは、どんな物語?
物語の主人公は、京都の和雑貨店で働く、広瀬栞。 五年前、写真家を目指していた恋人・啓に理由も告げられぬまま別れを告げられ、彼女の心は、凍てついた冬の中に立ち尽くしたままでした。
そんな彼女の前に現れたのが、近所の古書店の店主・小野寺蓮。 彼の静かで穏やかな優しさに触れるうち、栞の時間は、ゆっくりと、しかし確実に動き始めます。過去の痛みを受け入れ、蓮と共に歩む「今」の幸せを見つけた栞。
――しかし、物語はそこで終わりではありませんでした。
写真家として大きな成功を収めた元恋人・啓が、数年の時を経て、再び彼女の前に現れます。 華々しい過去との再会は、ようやく手に入れた穏やかな日々に、静かな波紋を広げていくのです。 過去を「乗り越える」ことと、現在の愛を「証明する」こと。似ているようで全く違うその試練に、栞と蓮はどう向き合っていくのか。これは、長い冬を越え、ようやく見つけた春を守るための、二人の「愛の証明」の物語です。
■この物語を、今あなたに届けたい「3つの理由」
1.誰もが経験する「心の痛み」の、リアルな描写 この物語は、単なる甘い恋愛小説ではありません。失恋、後悔、嫉妬、そして前に進みたいのに進めない焦り。誰もが一度は経験したことのある心の痛みを、主人公・栞の視点から、痛いほどリアルに描き出しています。だからこそ、彼女が少しずつ癒やされ、強くなっていく姿に、自分のことのように涙し、応援したくなるのです。
2.もう一人の主人公、京都の美しい四季 京都の夏は、宮崎のそれとはまた違う、盆地特有の厳しい暑さがありますが、この物語では、そんな京都の四季の移ろいが、登場人物たちの心象風景と重なり合い、見事に描き出されています。春の桜、夏の祇園祭、秋の紅葉、そして冬の雪景色。美しい情景描写が、物語をより一層、深く、切ないものにしています。
3.“育む愛”の温かさに、きっと満たされる 情熱的で、時に自分を見失うほどの啓との恋。それに対して、蓮との恋は、まるで丁寧に淹れたお茶のように、じんわりと心を温めてくれる、穏やかで「育んでいく」愛です。どちらが良い悪いではなく、人生のステージによって求める愛の形は変わっていく。この物語が描く、大人の男女の静かで深い絆は、読んだ人の心を、きっと優しく満たしてくれるはずです。
■こんなあなたに、おすすめです
- 京都の街が好きな方
- 心の中に、忘れられない人がいる方
- ドラマティックすぎる恋愛よりも、静かで深い物語を読みたい方
- 傷つき、悩みながらも、懸命に前を向こうとする人の姿に励まされたい方
長い冬を越えた二人がたどり着く、感動の結末とは。 この夏、あなたにとって忘れられない一冊となることを、心から願っております。ぜひ、お近くの書店で手に取ってみてください。