きれいごとは、もう終わりだ。
パーパス経営の“次”を探す、すべてのリーダーへ。
「バンバン稼いで、
バンバン納税する」
本書は、流行りの経営論とは対極にあります。事業で圧倒的な利益を上げ、社会に税金という形で還元することこそが、企業の最大の存在価値であると断言する、徹底したリアリズムの哲学です。
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核心哲学:企業の存在価値
企業の「本質的な価値」とは何か?多くの経営者が流行の言葉に惑わされる中、ラストマンは唯一の結果に執着します。ここでは、その思想の根幹を、現代の風潮と比較しながら探ります。
流行りの経営論
聞こえは良いが、時に本質を見失わせる言葉たち。
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パーパス経営: 理念や存在意義を第一に掲げるが、利益という「血液」がなければ持続不可能に陥る危険性。
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SDGs/CSR: 社会貢献活動をアピールするが、本業が赤字であれば、それは社会のリソースを奪う「偽善」になりかねない。
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社員の幸せ: 「幸せ」を会社の目的にすると、経営は人気取りになり、厳しいが決断から逃げる迎合に陥る。
ラストマンの哲学
唯一の「結果」に執着する、徹底したリアリズム。
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利益と納税: 企業の最大の社会貢献は、圧倒的な利益を上げ、公平な形で社会に再分配される「納税」を果たすことである。
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利益は血液: 利益は、雇用、未来への投資、そして真の社会貢献を可能にする生命線。利益への執着は、経営者の責任感の表れである。
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長期利益という北極星: 目先の株価や評価ではなく、10年、20年先も会社が生き残り続けるための、揺るぎない指標のみを見据える。
ラストマンの仕事術
哲学を実現するためには、具体的な方法論が必要です。ラストマンは理想論ではなく、結果を出すための実践的な「仕事術」を用います。その代表的な3つの手法をインタラクティブに探りましょう。
1. 終わりから始めよ:逆算思考
「本は最初から読むが、ビジネスは終わりから始める」。まず揺るぎない未来を描き、そこから現在やるべきことを導き出します。下のステップをクリックして、ユニクロの戦略フローを追体験してください。
最終目的地 (ゴール)
世界一になる (世界一のアパレル製造小売業)
マイルストーン ③
グローバル市場で確固たる地位を築く
マイルストーン ②
国内で圧倒的なNo.1になる
マイルストーン ①
事業モデルを証明する「キラー商品」を持つ
各ステップをクリックして詳細を確認
2. 「現場」に神は宿る:ハンズオン
ラストマンは会議室に留まりません。報告書の「死んだ情報」ではなく、現場の「生の情報」にこそ真実があると考え、自らの五感でビジネスの現実を掴みます。
- 現実を五感で掴む: 顧客の表情、店員の言葉、現場の空気感から、データでは見えない本質を掴む。
- 組織の断絶を防ぐ: 経営者自らが足を運ぶことで、本部と現場の溝を埋め、組織の動脈硬化を防ぐ。
- 覚悟を示し変化の起点に: 「トップは本気だ」というメッセージを伝え、現場の気づきを大きな戦略に繋げる。
3. 徹底的リアリズムの組織論
「社員よ、起業家精神を持て!」は経営者の責任放棄だと一蹴。凡人でも非凡な成果を上げられる「仕組み」を構築することこそ、ラストマンの仕事です。
- 「起業家精神」を求めない: 安定を求める社員にリスクを取れと要求するのは非現実的。
- 経営者は「建築家」であれ: 個人の才能に頼らず、誰がやっても成果が出る合理的プロセスと公平な評価制度を設計する。
- 冷徹なダイバーシティ論: 流行のためではなく「勝つため」に、労働市場の半分を占める女性など、あらゆる才能を最大限活用する。
経営者の職業倫理
ラストマンをラストマンたらしめるのは、その根底にある崇高な職業倫理です。「私の後ろには誰もいない」という孤独な覚悟が、組織に何をもたらすのか。そして、なぜ彼らは「割に合わない仕事」を引き受けるのでしょうか。
「私の後ろに誰もいない」という覚悟
ラストマンの辞書に「それは専門外だ」という言葉はありません。事業のすべてに最終責任を負い、どんな問題からも逃げません。船が沈む時、原因が何であれ最終責任を問われる船長のように、言い訳は許されないのです。
この覚悟が組織に与えるもの:
- 挑戦を促す心理的安全性
- リーダーへの絶対的な信頼感
責任の対価:事例比較
リーダーの「覚悟」が企業の運命をどう変えるか。下のボタンで事例を切り替え、その決定的な違いを確認してください。
なぜ、この仕事は「割に合わない」のか
金銭報酬だけを見れば、経営者の仕事は明らかに割に合いません。それでも引き受ける動機は、外部からの報酬ではなく、内なる衝動にあります。
値札のつけられない3つのコスト
- 精神という「無限労働」: 24時間365日、電源を切れない思考。
- 決断という「孤独」: 誰にも分かち合えないプレッシャー。
- 時間という「自己犠牲」: 買い戻すことのできない家族との時間。
それでも引き受ける理由
- 成果への執着: 自らのビジョンを世界に刻み込む、創造欲求。
- 巨大な達成感: 孤独と責任を引き受けた者だけが味わえる究極の報酬。
あなたは「ラストマン」になれるか
本書が問うのは、経営「学」ではなく、責任と向き合う「生き様」そのものです。本書を閉じた今、改めて自問してください。
あなたは、誰かのせいにせず、
すべての責任を引き受ける覚悟があるか?
問題が起きた時、他責にするのは簡単な道です。しかし、その道を選ぶ者は現実を変えられません。「すべての責任は自分にある」と引き受ける、孤独で重い茨の道を選ぶ者だけが、「当事者」としての力を手にします。
あなたは、報酬のためではなく、
成し遂げたい「何か」のために働いているか?
外部からの報酬はいつか失われます。しかし、あなたの内なる「成し遂げたい何か」は誰にも奪えません。それこそが、困難な仕事を、人生で最も価値ある時間に変えてくれるのです。


